クリニック通信

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月別:2016年02月

避妊、去勢手術についてよく考えてみましょう

メスの卵巣と子宮とを摘出する手術を避妊手術、オスの精巣を摘出する手術を去勢手術といいます。

373930「不妊手術をするのはかわいそう」、「健康なのに手術する必要があるの?」、「自然にしておくのがいい」などの考え方もあるかとは思います。そこで、不妊手術についておはなしします。不妊手術は望まれない子犬子猫が産まれるのを防ぐということだけでなく、手術をすることでいろいろな病気の予防、ストレスを減らすという目的もあります。犬猫がより快適に、より長生きするために不妊手術は良い方法のひとつでもあります。

一方で手術には様々なリスクを伴います。
また、手術のあとやっぱり出産させてあげたいと思っても絶対に無理なことなので、もし少しでも赤ちゃんを産ませてあげたいという気持ちがあればもう一度考え直したほうがよいと思います。
これらのことを十分理解した上でご家族みなさんでよく話し合って決めるのがよいと思います。今回は簡単に不妊手術のメリット・デメリットについてお話したいと思います。。

 

【不妊手術のメリット】

まず不妊手術のメリットについてお話します

371735メスの避妊手術を行うと、卵巣腫瘍、子宮蓄膿症、膣腫瘍などの病気の予防ができます。(乳腺腫瘍についても予防できる可能性もあると考えられます)。オスの去勢手術でも精巣、前立腺疾患などの病気が予防でき、会陰ヘルニア 肛門周囲腺腫などの病気の発症リスクが減ります。また、例えば糖尿病や犬アトピー性皮膚炎などの病気は発情期に悪化することがありますが、不妊手術をしていたおかげで症状が軽く済む場合もあります。

さらに発情出血、偽妊娠、乳腺炎、マウンティング行動、スプレー行動などさまざまなストレスも不妊することで一生涯軽減できることもあるのです。ストレスがかかると発症してしまう様々な病気も予防できる可能性もあります。つまり不妊手術をした犬猫の方が不妊手術を受けていない犬猫より生活の質が向上し、寿命が長くなるかもしれないというのが最大のメリットなのです。

 

【不妊手術のデメリット】

注射器いっぽうの手術リスクとしては麻酔のリスクがいちばんにあげられます。
非常にまれですが、麻酔薬の副作用により肝臓、腎臓、脳、消化器、呼吸器、心疾患を患ってしまったり、麻酔薬に対するアレルギー反応がおこり、アナフィラキシーという状態になってしまうこともありえます。止血異常があると出血が止まらなくなることもあります。また、麻酔以外のリスクとして手術の後に癒着、癒合不全、感染、縫合糸に対しての免疫反応がおこってしまうということもあります。

それに手術直後は痛くてかわいそうなことがあります。しばらく痛みで元気や食欲がなくなる、一時的に排便排尿がうまくできなくなる、術創を気にして歩けなくなるなどといったこともありえます。また、手術後は肥満になりやすいので注意が必要です。

 

【手術デメリットをできるかぎりさけるために・・】

166803手術のデメリットをできるかぎりさけるためには手術の前に健康診断、血液検査、レントゲン検査などを行います。肝臓、腎臓、貧血、感染症、止血異常、肺、心臓、気管などに異常が無いか調べ、可能な限りリスクを減らすことを心がけています。また、痛み止めのお薬を処方する、きずの治りが良い食事や肥満予防の食事を提案するなど術後のケアも大事だと思っています。

更新日:2016.02.29

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更新日:2016.02.25
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