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問診でわかる!ホルモンの病気!

皆さん、ワンちゃん、ネコちゃんに「ホルモンの病気」があることをご知でしたか?
ホルモンの病気は、通常の健康診断血液検査などではみつけにくく、飼い主さんの問診から疑って見つかることが多い病気なのです。今回は、ワンちゃんのクッシング症候群、ネコちゃんの甲状腺機能亢進症という病気についてお話します。どちらもホルモンの病気のなかでも多い病気なので知っておくといいと思います。

獣医

まず、ワンちゃんのクッシング症候群について説明します。先ほど飼い主さんの問診で病気が見つかるというお話をしましたが、それはなぜかというと、この病気の1番多い症状は「水を飲む量が多い」ということだからです。獣医師は診察室でのワンちゃんの触診・視診だけでは「この子は水を多く飲みますね」とはわからないものです。獣医師は日頃からワンちゃんの様子をしっかり見ている飼い主さんに「この子はお水をよく飲みませんか?」と尋ねることで診断できるのです。他にもよくハアハアする、お腹がぽっこりしてきた、毛が抜けてうすくなってきたなどもこの病気の症状です。問診で疑いがでたら血液中のホルモン検査をしてみます。

クッシング症候群の多くは脳から出るホルモンが過剰になり、お腹の中の副腎という臓器からもホルモンが多くでてしまう病気なのです。放っておくとまれに様々な合併症や併発症、死に至ることもある病気ですが治療により多くは良好に維持できます。

 

次にネコちゃんの甲状腺機能亢進症は「この子、最近よく食べるのに痩せてきたし、怒りっぽくなってきた」という飼い主さんのひとことで疑いがでる病気です。他にも嘔吐、下痢、多飲、多尿、毛が薄くなってきたなどといった症状もありますが、漠然とした症状です。ワンちゃんと同じく問診で疑いがでたら血液中のホルモン検査を行い、診断します。

甲状腺機能亢進症は首のあたりにある甲状腺という臓器からホルモンが過剰にでて起こる病気です。

心肥大、高血圧、体力消耗などによりQOL(生活の質)を落としてしまいますし、甲状腺機能亢進症の半数が甲状腺の腫瘍であることがわかっていますので命にもかかわる病気です。

 

このように、診察だけではみつからない病気が他にもたくさんあり、飼い主さんからの問診が大事だということがおわかりかと思います。ワンちゃん、ネコちゃんがたくさんお水を飲む、怒りっぽくなったなど以前とは違う症状がある場合は早めに当院に受診してください。また、健康診断などの時にささいなことでも獣医師に相談してみることが大切かと思います。

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更新日:2015.01.01
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