犬の皮膚の表面には様々な細菌が住んでおり、これらの菌を常在菌といいます。
常在菌は外から他の菌が皮膚につくことを防いでいます。
しかし何らかの原因で常在菌が増えて、皮膚の中や毛穴に入り込んでしまうと皮膚炎がおきます。
これを表在性膿皮症とよびます。
表在性膿皮症の原因で多いのは「ブドウ球菌」と呼ばれる細菌です。
ブドウ球菌は、
①アレルギー性皮膚炎などで皮膚のバリアが弱い場合
②他の病気で体調が悪い場合
③高い気温と湿度での生活
などの理由で皮膚に増えやすくなります。ですから表在性膿皮症は梅雨から夏期に特に多い病気です。
表在性膿皮症の症状は、お腹や背中を中心に比較的強い痒みをともなう湿疹がおこります。
症状の範囲が狭い場合には抗菌クリームや抗菌シャンプーなどの外用療法で対応しますが、範囲が広い場合は抗菌薬の内服や注射を行います。
多くの場合は2~3週間で皮膚症状は治ります。しかし、ブドウ球菌は皮膚にもともと住んでいる菌なので数をゼロにすることができません。したがって再発が非常に多い病気です。
痒みは人も犬もツライですよね。
痒がっている、湿疹がある、など、気が付いたら早めの受診をおすすめします。
今回は犬の乾性角結膜炎についてお話します。
乾性角結膜炎・・・別名ドライアイです。
ドライアイの方が聞き覚えのある方が多いのではないでしょうか?
実は犬もドライアイになるのです。
通常は目の表面に風や埃、被毛などの刺激が加わると、涙腺に涙を出すように指示が伝わって涙が分泌されます。
しかし、外傷や加齢、病気などによって涙腺機能が低下し、涙を出すことができなくなると、ドライアイになってしまうのです。
主にネバネバした大量の目やにが特徴的な症状です。目やにが出ているのに、ドライアイと診断されると驚かれる方もいます。
初めのうちは寝起きに目やにが多い程度ですが徐々に目やにをとってもすぐに目やにがでるようになってきます。
同時に白目(結膜)が赤くなったり、黒目が白っぽく濁ったりすることがあります。
また、まぶたが腫れて、眩しい時のような半開きのまぶたになることもあります。
症状を緩和するためには、点眼液による治療が必要となります。
数種類の薬を用いたり、生涯にわたり涙の不足を補う点眼が必要となる場合もあります。
人でもつらいドライアイ・・・もちろん犬もつらいです。
目やにがよく出ているな、と気が付いたら早めの診察をおすすめします。
こんにちは!さて、おやつシリーズもついに最終章・・・その3がやってまいりました。
その1からお付き合いいただきありがとうございます
その1では食物アレルギーのおやつ
その2では尿石症、心疾患、腎疾患のおやつについてお話しました。
さて、今回は・・・・・
『グリニーズ』のピルポケットという投薬補助トリーツをご紹介します。
皆さん歯みがきガムとしてご存知かもしれません。

こちらはお薬を飲むときに、包んで食べやすくするためのものです。
そして・・・ねこちゃんの飼い主様に朗報です!!!
その1・2ではわんちゃん用のおやつ紹介でしたが、『ピルポケット』はねこちゃん用もあります!
しかし、いざお薬が必要となったときに急におやつが変わって受け入れてくれなかったり・・・ということもあります・・・
普段からのおやつをこちらにしていただく事で、お薬と気づかれずに投薬ができるようになります。
主原料は100%天然素材を使用していて、しかもかなりおいしいようです★
当院のしんえもん(犬)・シャー(猫)はこれが大好きで、激しく飛びついてきます(笑)
意外と苦戦される方も多い投薬・・・
おやつ感覚で与えることができれば投薬による飼い主さや、愛犬・愛猫のストレスがかなり軽減されるかと思います。

どちらも病院でサンプルをお渡しすることができますので、お気軽にお声掛けください。
動物病院で安心・安全なおやつを試してみませんか?
こんにちは。
今回は犬の子宮蓄膿症についてお話します。
子宮蓄膿症は子宮内で細菌感染を引き起こすことにより炎症を起こし子宮内に膿が溜まってしまう病気です。
中高齢の避妊していないメス犬に多く見られます。
症状は水をたくさん飲む、おしっこの量が増える、腹部が膨れる、陰部からの出血や膿が出る場合もあります。
また、嘔吐や下痢、食欲不振も起こります。
子宮蓄膿症の特徴として、子宮にどんどん膿がたまってしまう閉鎖型と子宮にたまってしまった膿が陰部から外に出る開放型に分かれます。
開放型の場合、生理出血と勘違いしまうことがあり、どちらの型も気づかないことが多いようです。
そのまま放っておくと子宮がパンパンに腫れ、破裂してしまうこともある命に関わる病気です。
子宮蓄膿症の治療は手術により卵巣と子宮を摘出することが一番です。
子宮蓄膿症は避妊手術で予防することができます。
気になる症状があれば早めに病院を受診して検査をしましょう。
こんにちは
さあ4月です
フィラリア予防を始めましょう!!
そこで犬フィラリア症の予防について今一度お話したいと思います
フィラリアは蚊によって犬から犬へ感染していきます
蚊が感染犬の血を吸う時に一緒にフィラリアの幼虫を吸います
そして、その蚊が他の犬の血を吸うことでフィラリアの幼虫が体内に侵入→血管内→心臓へと寄生します
(心臓に寄生する頃には約30㎝の成虫に成長します)
フィラリアの幼虫が心臓にたどりつく前に、毎月1回の投薬で予防することができます
平均気温が15度以上になると感染可能になると言われていますので、静岡県では4月~12月までの予防をおすすめします
予防開始時には血液検査でフィラリア感染の有無を確認してからお薬を処方しています
ワンちゃんと一緒にご来院ください
なお、フィラリア検査と一緒に腎機能、肝機能、貧血、炎症などを調べる一般血液検査
腎臓病を早期発見できる、SDMA(対症性ジメチルアルギニン)も同時に行えます
病気の早期発見のために年に1回の健康診断としていかがでしょうか
さらに4月限定で割引付フィラリアカードスタンプをお配りしています

混雑が予想されますのでお時間に余裕を持ってお越しください
今回は犬と猫の肛門嚢炎についてお話します。
みなさん「肛門腺」という言葉を聞いたことがありますか?
肛門腺は、肛門の左右にあるニオイを出す腺のことです。
この肛門腺をためる袋を肛門嚢といい、そこに炎症を起こしてしまうのが肛門嚢炎です。
肛門嚢炎になると、お尻を頻繁に気にしてかゆがったり、触られるのを嫌がったりします。
また、おしりを床にこすりつけたりなめたりして排便が困難になることもあります。
悪化すると肛門付近が赤く腫れてきて破裂することもあります。肛門嚢炎になってしまうのは小型犬や老犬が多く、
便秘やストレスからなる犬や猫もいます。
肛門嚢炎の大きな原因は肛門嚢に分泌物がたまり、詰まって細菌感染を引き起こすからと考えられます。
もし肛門嚢炎になってしまったら、分泌物をしっかり出す必要があります。
何回か肛門嚢を洗浄したり、内服薬での治療を行ったりする場合もあります。
そうなる前にシャンプーや健診の時に定期的に肛門腺を絞ってあげることが大切です。
当院で肛門腺絞りを行うこともできるのでお気軽に声をかけて下さい。
また、普段から肛門付近をよく観察してあげることも大切です。
最近よくお尻を気にしているなど心配なことがあれば当院に受診して下さい。











