クリニック通信

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認知症のこと・・・

今回のテーマは「認知症」です。

 

私たち人間は平均寿命が延び、いまや約15%の方が認知症になると言われています。

犬猫も同様に平均寿命が延びていると言われていますよね。

そこで、犬猫の認知症についてご紹介していきます。

 

Q.犬猫も認知症になるのでしょうか?

A.なります。

高齢の犬猫において、様々な理由により認知機能が低下し日常生活に支障をきたす状態のことを認知症といいます。

 

Q.そもそも認知症の症状って?

A.無意味に動き回る

・排泄を失敗する

・夜鳴きをする

・飼い主とコミュニケーションがとれなくなる

・今までできていたことができなる       ・・・などがあります。

 

Q.もしペットに認知症の症状が出てしまったら、私たちはどうするべきでしょうか?

A.まずは、その症状が他の病気からくるものでないか病院を受診しましょう。

そして認知症であると診断された場合は、ご家族でペットの認知症ケアを実践してみましょう。

 

Q.認知症ケアって?

A.・ケージをサークル状にし、ぶつかるスペースや隙間をなくす。

・昼夜逆転しないよう昼間に積極的な声掛けをする

・排泄物で体が汚れないようオムツをする

・ぶつかっても痛くないよう低反発クッションなどを利用する

・介護用品を利用し、転ばないようにサポートをする

・犬猫用栄養補助食品(サプリ)を試してみる

・普段と違う遊びや散歩コースにして刺激を与える ・・・などがあります。

 

家族同然のペットの老いる姿を見守ることは、悲しくつらい思いもあるかもしれません。ですが、最期までペットの幸せを願いケアを実践する日々は、それもまた私たちに良い思い出となることでしょう。

家族みんなで笑顔のシニア期を過ごせるよう、お困りごとがありましたらご相談ください。

ペットたちが少しでも快適に暮らせるように、また飼い主様の負担も少しでも減らせる工夫がないか、ケア方法を一緒に見つけていきましょう。

更新日:2024.03.14

猫の変形性関節症について

お家の猫ちゃんは以前よりも動くことが少なくなっていませんか?

もしかしたら変形性関節症の疑いがあるのかもしれません。

変形性関節症とは、肘や膝、股関節などの関節軟骨が傷付いていたり

変性により痛みが出て動きにくくなる病気です。

(とくにスコティッシュフォールド・マンチカン・日本雑種猫に多く見られます)

人間と同じように年齢を重ねていくにつれ発症率は増加し、11才までは40%台、12才以上は70%台です。

中には早いと1才すぎから変形性関節症を発症する子もいるようです。

猫ちゃんにはまだ野生の本能が残っていると言われています。

本能的に痛みがあっても飼い主さんの前では痛みを隠してしまいます。

それにより活動量が減ったことを年齢が原因と勘違いしてしまい、変形性関節症を見落としてしまうこともあるのです。

変形性関節症の原因は加齢だけでなく、肥満により発症することもあります。

変形性関節症の痛みは生活する中で、ねこちゃん自身の心にもダメージを与えます。

 

日常生活で猫ちゃんの動きをよーく見てみてください。

もしかしたら日頃の仕草で痛みのサインが出ているかもしれません。

(例:爪とぎをしない、高いところに上らない、トイレに入りづらいなど)

当院にて痛みサインチェックリストをご用意してありますので、興味がありましたらお申し出ください。

 

変形性関節症の治療方法は?

・鎮痛薬を投与し痛みを和らげる、1ヶ月に1回の注射

・ストレッチや軽度な運動をして関節を支える筋肉の強化や体重管理等

 

気になる方はお気軽にご相談ください。

 

更新日:2023.08.30

虫歯について

こんにちは。今回は虫歯についてお話します。

虫歯とは口の中で細菌が繁殖し、産生した酸などで歯が削られてしまった状態のことです。

飼い主さんでも経験のある方は多いと思います。

人の場合歯に痛みを感じ歯医者さんに行ったり、定期的にチェックをしてもらったりしています。しかし犬・猫の場合は飼い主さんが気を付けてあげる必要があります。

 

症状としては息が臭くなる、歯の変色、歯に穴が空く、食べるのが遅くなるです。

人間同様、歯の隙間に挟まりやすいやわらかいものばかり食べていたり、虫歯菌の栄養源となる甘いものを食べると、虫歯になりやすくなります。

定期的に歯磨きをして虫歯の原因となる歯垢を取り除いておかないと、その分虫歯になりやすくなります。

また、歯周病になると歯の根元に食べかすや歯垢がたまりやすくなり、虫歯の下地になってしまいます。

 

当院ではスケーラーという機械で歯石・歯垢を除去し、重度の場合は抜歯も行います。これらの治療により良くなりますが再発の可能性もあります。

歯磨き習慣を作り、飼い主が定期的に歯を磨いてあげることが、虫歯予防になります。もし難しい場合はガムを噛むことで歯垢をとることができます。

更新日:2023.05.31

マイクロチップ登録制度について

 

最近テレビやネットでも紹介されていたので、

ご存じの方も多いのではないでしょうか?

今回のクリニック通信では、マイクロチップについて簡単にお話させていただこうと思います。

 

まず、マイクロチップについて

こちらは1センチにも満たない電子認識器具で、犬や猫の肩甲骨付近に装着するものです。

15桁の数字が記録されており、この番号を使用して所有者の情報が登録されています。

迷子や災害時にはぐれたりして保護された時に身元を確認することができます。

今現在いくつかの登録協会があり、マイクロチップ装着時にいずれかの協会に登録している・・・という状態です。

 

令和4年6月1日に「改正動物管理愛護法」が施行され、

販売される犬や猫へのマイクロチップの装着・登録が義務付けられました。

今回施行された「改正動物管理愛護法」では、

販売される犬や猫へのマイクロチップの装着・登録が義務となっています。

この登録というのは今までのどこかの協会ではなく、

環境省への登録が義務となります。

 

では、現在飼育中の犬や猫はどうしたらいいのでしょうか?

既にマイクロチップ装着済の子は、

環境省への登録は『努力義務』となっています。

ですので、義務ではないですが

環境省への登録をするよう努めなければならない。ということです。

 

マイクロチップ未装着の子は、マイクロチップの装着は同様に『努力義務』となります。

今後マイクロチップを装着した時は環境省への登録は『義務』となります。

 

すこしややこしいですね・・・(-_-;)

うちの子は・・・??など不明点がありましたら環境省HPのQ&Aをご覧いただくか、当院までご相談ください。

更新日:2022.06.06

犬や猫に与えてはいけない食べ物

わんちゃん・ねこちゃんを飼い始めたばかりの方に「あげてはいけない食べ物はありますか?」

と質問をされることがあります。そこで、今回は犬と猫に与えてはいけない食べ物を紹介します。

 

人間にとって美味しいもの、体によいものでも、ペットにとっては危険な食べ物があります。

またペット自身が好んで食べるけれど、体によくない食べ物もあります。

以下に犬と猫に与えてはいけない食べ物の例を記します。是非、参考にして下さい。

 

・タマネギ

犬や猫にとって有害な成分が含まれています。赤血球が破壊され、血尿や下痢、嘔吐、発熱などをおこすおそれがあります。加熱してもこの成分は分解されず、ハンバーグやカレーなどタマネギが含まれる食品、また、タマネギのエキスがしみ出た味噌汁やすきやきの煮汁なども注意が必要です。同様の成分は長ネギ、ニラ、ニンニク、ノビルなどにも含まれます。

 

・ブドウ、干しブドウ

犬や猫にとって腎不全の原因になります。特にブドウの皮は与えてはいけません。

 

・キシリトール入りのガムなど

キシリトールは、虫歯予防などに有効として人間用のガムなどのお菓子に含まれていますが、犬が食べてしまうと少量でも血糖値の低下や嘔吐、肝不全などを引き起こす可能性があります。

 

・香辛料

犬・猫は、香辛料に対する耐性が低いので肝臓障害などを引き起こします。

 

・鶏の骨

鶏の骨は縦にさけやすく、鋭利な形状となり喉や消化管を傷つけることがあります。

 

・イカ、タコなどの魚介類 カニ、エビなどの甲殻類

イカやタコ、スルメなどは消化が悪いので、下痢や嘔吐の原因になったり、のどに詰まらせてしまうこともあります。また生の魚介類、甲殻類などにはビタミンB1分解酵素が含まれているため、ふらつきなどの運動機能障害をおこすビタミンB1欠乏症を引き起こすことがあります。

 

・生の豆やナッツ類

消化が悪いので下痢・嘔吐・膵炎の原因になります。

 

・チョコレート

カカオには中毒を引き起こす成分が含まれています。犬は甘い物が好きなので、目を離した隙にたくさん食べてしまうことがあります。中毒を起こすと、下痢、嘔吐、突然死を引き起こすことがあります。

 

・コーヒー、緑茶、紅茶など

カフェインが含まれているため下痢、嘔吐、体調不良、多尿、尿失禁、てんかん発作などを引き起こすことがあります。

 

・生卵

アビジンという酵素が、皮膚炎、成長不良の症状を引き起こすことがあります。

(加熱調理して与えれば問題はありません)

 

・牛乳

牛乳に含まれる乳糖をうまく消化できず、消化不良で下痢を引き起こすことがあります。

 

 

もしも食べてはいけないものを食べてしまったら・・・

まずは何をどのくらい食べてしまったのか確認します。特に症状が出ていない場合でも、

食べた物や量を確認したらすぐに動物病院に連絡しましょう。

すでに症状が出ている場合は症状を伝え、すみやかに病院に連れて行きましょう。

食べた物の成分がわかるものも持参していただくと、わかりやすいです。

 

更新日:2021.07.13

マダニは病気の感染源!

SFTSについて

 

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)とは・・・

最近ニュースなどで耳にする機会もあるかと思いますが、まだまだ耳慣れない言葉ですよね。

この病気はSFTSウィルスによる人獣共通感染症です。

ウィルスを保有したマダニに咬まれると、ウィルスが人、犬猫などの体内に侵入し、重症熱性血小板減少症候群が引き起こされます。

 

SFTSの症状は・・・

〇原因不明の発熱

〇消化器症状(食欲低下、嘔吐、下痢、腹痛など)

〇頭痛、筋肉痛、リンパ節の腫脹

〇神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)

〇紫斑、下血などの出血症状

〇咳などの呼吸器症状

 

潜伏期間は6日から14日程度と推定されています。

重症化すると死に至ることもあります。

SFTSに感染した犬猫からウィルスが飼い主に感染してしまう可能性も否定できず、2016年には猫に咬まれたことが原因と考えられる女性の死亡例が報告されています。

また、2020年8月には県内で初めて猫が感染し死亡した例が報告されました。

 

SFTSを予防するには・・・

SFTSの主な感染源であるマダニは草むら、畑、藪、畑、野山など自然界の至る所に存在します。特に草むらには多く生息しています。

そして犬猫にとって草むらは大好きな場所ですよね。

散歩の際、草むらに近づかないのが1番ですが、なかなかそれも難しいです。人の場合は長袖シャツ、長ズボンなどを着用し肌の露出をなくすことができますが、犬猫の場合はそれができません。

そこで犬猫には毎月1回のマダニの予防薬の投与をおすすめします。

お薬は錠剤、チュアブル、首の後ろにつける液体、様々なタイプがあり、それぞれの犬猫にあったタイプを相談して選ぶことができます。

 

マダニの怖さはSFTSだけではありません。ほかにも多くの感染症を媒介します。

そしてこれらの感染症も感染してしまった場合、重症化してしまう可能性があります。

犬猫の身を守るためにも、また飼主様自身を守るためにも是非マダニの予防を徹底しましょう。

 

 

マダニの予防について詳しくは当院にご相談ください。

更新日:2020.11.05
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